多良間から師匠がやってきた たらまー5

ポンコツ34@那覇

2011年11月01日 19:47

「伊良部とうがに」の稽古は続いていく。歌を4つに分けてワンフレーズずつやっていきましょう
ってなわけだが、どのフレーズも易しいものなどありゃしない。
「師匠? 声が出ません。自分には無理です」
「何を言ってるのですか? ではちんだみを下げてみなさい。思いっきり下げてみなさい」
今までにないくらい、キーを落として、歌う。三線を弾く。
繰り返し繰り返し。
「自分の声に合ったちんだみで良いのです。見栄を張らない! 歌は生命線ですよ」
ってな感じで練習していたら、師匠の携帯に電話があった。
「ゆまが、ポンコツに代わってほしいって言っている」
「ポンコツ? 今モスバーガーの駐車場まで来たけど、ここからがわからない。案内して!」
「駐車場を出て右に曲がって。すると電器屋さんがあるからそこを右に曲がる。
で、突き当ったら左へ曲がると、ポンコツの車が停めてあるサー」
「わかった。下まで迎えに来て」
ってな感じで1階まで降りたら、ゆまちゃんの車を発見した。
おお、かわいいラキ君(仮名)も一緒だ。大きくなったなあ。
「ラキ、かわいくなったでしょ? 抱っこしてあげて」
抱っこをしてそのまま我が家までラキを運んでいった。
「師匠お待たせしました! ラキ君ですよ。ラキ? ほらオジイが待ってたよお」
「おお、君がラキ君かあ。ポンコツ君、ラキを渡しなさい!」
ラキはオジイに抱っこされニコニコご機嫌だ。
「ラキ、この人が多良間のオジイだよ。ごきげんだね、ラキ」
師匠はさっきまでの厳しい姿はどこかへ行き、ひとりのオジイになっていた。
ゆまちゃんと自分は、ラキを抱くオジイの嬉しそうな顔を見ては自然に笑いがこぼれた…。



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