モネが来た 2
モネは延々と童謡を弾く。
俺もつられて一緒に歌う。
意外に童謡って良いものだな。俺も動揺しちゃったよ。
鹿児島在住時に、仕事で介護施設を訪問する機会があって、
そのときよくみんなで童謡を歌っているシーンを
見かけることがあった。
“威厳のある高齢者に童謡はないだろ? それで心の渇きが潤せるものか…”
なんて考えていたこともあったが。
沖縄の高齢者は民謡・三線音楽が生活の一部だけど
内地なそうではないからね。
モネが奏でる三線の音には、内地人には、またモネの職場では
いろんな反響があったようだが、高齢者を味方に付けたということで
モネの勝ちであろうな。モネは勝ちだけでなく、価値をも
身に着けていたとはな。
話が脱線したが、俺も歌おうかね。
「ポンコツ? そろそろどっかの民謡酒場で歌わせてもらったら?
売り込んでみたらどう?」
「そういう考えはあるけど、去年かな、知り合いの建築士さんと飲んだ時に
いっしょだった宮古人にね“発音が違う!”って激怒されてから、引っかかるものが
あってね。なりやまあやぐ、はそれから人前で歌えないよ」
「宮古人は熱いからなあ…。仕方ないか。でも、そんな人はまれだよ。今歌っていても
別におかしいところはないサー」
ふたりで交互に三線を弾いていたら、すっかり暗くなった。
今日はこれからネーネーズを観に行こうということになった。
自分は2度目のネーネーズだ。メンバーも今は変わっているし、
会場も宜野湾から国際通りになったし楽しみだ。
バスに乗って出かけよう。
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