多良間へ行くのか? たらまー 5
どこから見ても同じ光景にしか見えない多良間島。
一面キビ畑が広がっていて、特に目印なんかもないから
例えば、どこからどこまでが俺の畑だ、なんてことがわかるのだろうか
と思ってしまうが。
師匠はもちろんわかるようで、島を縦断して今まで行ったことのない
畑に案内された。もちろんここもキビが植えてある。
畑は基盤整備をされているようで、道路もきれいに区画・舗装されているが、
幅員4メートルくらいの道路の半分は倒伏したキビが覆っている状態。
「ポンコツ君。この倒れているキビを復元します。道路に倒れていたら
他の車に踏みつぶされても文句は言えない。ですから、キビを起こして
道路にはみ出していないキビに括り付けます」
「紐で結べば良いんですね」
「紐ではない。荷台に積んである肥料袋を持ってきて」
肥料袋かと思っていたら、袋の中には肥料袋を細かく切って
作った紐がたくさん用意されている。
「では始めましょう。私が紐で縛るから君はキビを起こしてくださいな」
倒伏しているキビを起こす。キビは意外に成長しているから
太くて重いんだな。起こしていくのも見るのとやるのとでは大違い。
結構疲れるな。
「こっちも起こして! それはしなくてよい」ってな感じで
指導をされながら約30メートルくらいの倒伏したキビを起こした。
「ちょっと休憩しましょう。ポンコツ君、お昼食べてないんだから
せめてパンくらい食べなさい」
パンを差し出され食べることとする。
目線の先には延々と倒伏キビが見えていて、こりゃいつまで続くのかなと
不安を覚えたりもする。
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